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東京外大入試の傾向と対策
(英語・世界史・日本史)

前期日程

(1)読解

形式:大問により、以下ように記述式と客観選択式の問題に分かれる。
大問1=内容説明中心の論述問題(字数制限付)
大問2=単語の空所補充問題(語形変化を求める場合あり)
大問3=長めの語句またはセンテンスの空所補充問題(欠文補充)
語数:700語弱〜1000語以上
内容:評論文中心(言語を中心に、文化、歴史、環境、自然、科学・技術、コンピューターなど多様)

(2)作文

形式:「リスニング+英作文」の融合問題。5分前後の英文レクチャーを2回聞いた後、ポイントの抜粋(参考資料)を見ながら、(1)聞いた英文の要約、および、(2)聞いた英文に関連する設問に英語で解答(意見英作文)。
語数:上記(1)と(2)それぞれついて、150語〜200語程度書くことが求められる。

(3)リスニング

形式:大問2題。それぞれ5分程度の講義、インタビュー、ラジオ放送などを聴いて、内容真偽(〇×問題)や選択型(3択)の英文完成に解答。「モノローグ(1人語り)」と「対話」が同じくらいの頻度で出される。2回聞ける場合もあるが、近年は1度のみの出題が多くなっている。


後期日程

長文の英文1題

(1)英文読解的要素
内容:国際社会・文化に関するもの
形式:
日本語による内容説明
部分和訳
日本語による内容説明
日本語による要約
語数:1000〜1500語
(2)小論文的要素
意見陳述:600〜800語

東京外大の世界史

* 外大世界史入試の出題形式は、全体で大問2題からなり、400字論述を含む第1問、100字論述(最初の2006年度のみ150字)を含む第2問とも、史料・文献からの長大な引用文を題材とした出題である。引用文は2006年度・2007年度とも、第1問は36字(場合によっては35字)×90 〜 100行、第2問20 〜 30行だったが、2008年度71行と50行、2009年度60行・70行、2010年度80行・70行、2011年度70行・76行、2011年度74行・61行で、2013年度119行66行、2014年度83行・82行と、13年度の第1問が突出して長いが、第1問・第2問の問題分量が平均化する傾向がみられる。2015年度は第1問67行、第2問63行で引用文章の量はやや減少、一方、設問文が長めになっているのが目立つ。
* 14年度入試では、日本史導入直前ということもあるためか、大学側から「出題の意図及び問題の特徴」「問題作成教員から受験生へのメッセージ」「解答・解説」が初めて発表された。15年度入試でも「意図・特徴」「メッセージ」の部分は、一部割愛されただけで同一文章が踏襲されている。「引用長文」に関連して注目されるのは、「世界の歴史を歴史史料のなかから読み解く読解力や、それを論理的に叙述する力」を重視するという部分である。従来、「引用長文」は、論述テーマの背景を理解するうえで参考になるものではあったが、必ずしも論述内容それ自体に直結するわけではなかった。「引用長文」を史料として読ませ、論述に求められている要素を文章のなかから探らせ、テーマに即して再構成させる、という出題は、14年度入試で初めて登場したスタイルだった。これが常態化するのか、興味深いところだったが、2015年度に関する限り、史料読解力を重視という性格は弱まった。長くなった設問文は「読みのための解説」でもあり、やや親切すぎる印象すら受ける。ただ、最初の論述設問を読み、それを頭に入れたうえで「引用長文」を読んでいく、という手順は崩さぬほうが良かろう。
* 15年度から日本史受験が可能となった。世界史受験生にとって、従来の「近現代の日本史を含む世界史」という出題範囲指定について、昨年度の「メッセージ」にあったように、基本的なスタンスは変わらないと見てよい。ただ、2015年度の「津田梅子」は日本史では基本でも、視野にまったく入れていない世界史受験生もいたと思われ、出題内容をもう少し検討してほしいところだ。論述テーマとして日本史関連が直接出題されたのは2006年度・2009年度そして2014年度、多くは単答設問で、今後、出題されない年度もありうると想定されるが、日本関連世界史の準備も怠らないこと。本パンフレットには、日本史関連100字論述基本テーマを解説・例解付きで収録してある。単答問題対策
としても有効なはずだから、参考にしてほしい。加えて、グローバルな文脈での日本史関連世界史400字論述の例題5問を付した。解答例は付けていないが、100字論述の内容を組み合わせることで、400字論述にも対応できるはずなので挑戦してみてほしい。
* 2008年度・2012年度に史料関連地図問題が出題されているのが注目される。論述問題以外は、すべて単答記述問題で、正誤判断や記号選択問題は出題されていない。14年度「出題者の意図」で「問うているのは、世界史の基本事項ばかり」とあるが、出題内容・難易度とも私大文系と同程度と考えたほうがよく、差のつきやすい「難問」も少なくない。
* 配点は第1問60点(うち、400字論述20点)、第2問40点(うち、100字論述10点、ただし、06年度のみ150字で15点)である。単答記述問題に関して、2006年度には4点の設問も存在したが、2007年度以後はすべて各設問5点の配点となった。2010年度に二つの対になる語句を答えさせ、あわせて5点という設問が3題、2011年度は5題あり、2013年度1題、2014年度2題、2015年1題とそれぞれ出題されている。設問数が少ないため単答記述の配点が大きく、2題で゛100字論述に相当する。1題のミスが大きな得点差となり易いので注意すること。

引用史料・文献一覧

2006年度

「清末アナーキスト劉師培の論文」と「ポスト冷戦・欧州統合」

2007年度

「三大陸人民連帯機構へのチェ=ゲバラのメッセージ」と
「キリスト教世界と宗教寛容」

2008年度

「フサイン=マクマホン協定とサイクス=ピコ協定」と
「ペリー艦隊日本遠征前の国務長官代理書簡」

2009年度

「リットン調査団報告書」と「プラハの春に参加し、フランスに亡命した作家
ミラン・クンデラの中央ヨーロッパ論」

2010年度

「コミンテルン―東洋諸民族大会宣言1920」と「ド=ゴール回想録」

2011年度

「パリ条約(七年戦争)」と「明清交代に関する『華夷変態』及び『和蘭風説書』」

2012年度

「ハルツームのゴードン」と「ウィルソン十四カ条平和原則」

2013年度

「ドイツ三月革命へのチェコ・パラツキーの立場」と「シンガポール、リー・クアンユー回想録」

2014年度

「17世紀後半のフランス商人シャルダンの『ペルシア旅行記』」と「ベネディクト・アンダーソン『比較の亡霊』―東南アジアのナショナリズを扱った著作」

2015年度

1−A「イギリス外相カニングのブラジル独立問題覚書1822」、1−B「ビーグル号艦長フィッツロイ航海記1839」、1−C「ダーウィン航海記1845」、と、
2「近代アジアのフェニミズムとナショナリズム」

幅広いテーマが取り上げられる。設問自体も様々な地域・時代を問う内容の場合がほとんどだが、2011年度は第1問18世紀中心、第2問17世紀中心、2012年は両問とも第一次世界大戦前後中心と、やや時代が限定される場合もある。いずれにせよ、総合力が試される題材である。

論述テーマ一覧

 

400字

100字(06年のみ150字)

2006年度

「日英同盟からワシントン会議まで」

「社会主義圏の危機」

2007年度

「ベトナム戦争の影響」

「ナントの王令」

2008年度

「パレスチナ問題」

「清朝朝貢体制から条約体制への転換」

2009年度

「世界恐慌から第二次世界大戦までの過程」

「オーストリア=ハンガリー二重帝国」

2010年度

「ボリシェヴィキ民族政策の転換」

「ウィーン体制」

2011年度

「七年戦争の非ヨーロッパ世界への影響」

「東アジアの冊封体制」

2012年度

「アフリカ分割」

「第一次世界大戦前後のアメリカ外交」

2013年度

「ドナウ沿岸諸民族の自立と国際政治」

「インドシナ戦争」

2014年度

「17世紀南アジア・西アジアのムスリム国家繁栄」

「第二次世界大戦期、日本の東南アジア侵攻」

2015年度

「ウィーン体制とイギリスの経済利害、奴隷貿易とラテンアメリカ独立」

「インド大反乱を契機とするイギリスによるインド統治の変化」

指定語句が付されているので、まったく書けないということはないだろうが、400字論述では「ベトナム戦争の影響」や「ボリシェヴィキ民族政策の転換」など、求められているテーマに即して全体の文章をまとめるのに、かなりの学力が要求される場合もある。100字論述「清朝朝貢体制から条約体制への転換」・「オーストリア=ハンガリー二重帝国」でも、鍵となるポイントをおさえ記述するのはかなり難しい。
従来、論実問題は主に19世紀以降が主な出題対象とされてきたが、2011年度の18世紀七年戦争と東アジア冊封体制、2014年度の17世紀アジア貿易と近代初期を内容とする出題も目につく。
* より実践的な模試形式での対策は、直前演習で行う予定である。


東京外大の日本史

東京外大は、2015年度入試から日本史科目の選択が可能になった。従来の世界史の出題から、外交史の分野の出題が予想され、その通りであった。2016年度入試に関しては、近世史の出題が予想され、外交史の分野であれば、南蛮人の来航、朝鮮出兵。海禁政策、列強の接近、開国などを、文化史や経済史と結び付けて出題されるのではないかと考えられる。これらは、いずれも外大の『入試対策』のテキストで取り上げてある。近現代史に関しては、外交史を中心にどの角度からも出題できる。
1の史料は、石橋湛山の論説であり、中国をめぐる日米間の緊張を1920年に警告したものである。その後の日本は、石橋が心配したように山東出兵、満州事変、日中戦争、日米戦争へと展開していく。石橋のことは、直前テストゼミの授業で取り上げた。中国をめぐる日米関係の400字の論述は、『入試対策』のテキストの200字・100字の論述対策で取り上げており、それらを組み合わせることで、400字の長文論述であるがまとめることは可能であると思われる。その他の設問はいずれも基本題であり、中堅私大レベルの問題であり、難問ではない。長文論述の完璧な答えは困難だとしても、練習を繰り返すことで合格点に達することは可能である。
2は、1420年に書かれた『老松堂日本行録』の史料問題である。史料が読めなくとも設問から答えが導き出せる。難関大学の史料問題においては、読めない史料でも設問から答えを導き出す練習をしており、史料問題に慣れていれば慌てることはない。100字の論述は設問が曖昧であり、受験生は何を書いてよいのか戸惑ったのではないかと思う。見方を変えれば、間違ったことを書かなければ何を書いてもよいということである。論述に関連して、講習で問題演習の問題文の中で取り上げてある。他の設問は基本題である。
このように、設問はいずれも中堅私大レベルの難易度であり、普段の学習で十分対応できるものである。外大の論述は、他の国公立大のような学習したことがなく、聞いたことのないような難問ではない。大学側が受験生に多くを望んでいるのではなく、基本を確実に学んでいるかを問うているのではないかと考えられる。ただし、今年度の合格最低点の結果次第では、問題の難易度を上げてくる可能性がある。
大学側が示した「講評・解説」によると、1に関し、「基本的な知識を問うものであり、それらを関連させることで、当時の日本が直面した問題への理解が深められるように配慮しています」とあり、問題の難易度は基本題であることは指摘した通りであるが、日本が直面した問題への理解が深められるようになっているかは疑問である。慶応義塾大学のように史料を読み取る出題になっていないことによるが、世界史の一部の出題に史料を読み取る設問があるように、今後はそのような出題も予想される。
また、教育の目標を「日本を含む世界で起きている事象や人々の暮らしや文化を学び、現代世界の問題を歴史的視点から考える態度を養うことが重要な柱の一つ」としており、日本の文化や生活・経済に与えた外国の影響を問う出題が予想される。2の論述はまさにそのような出題であり、大学の教育目標に沿った出題といえる。

日本史入試科目の目的を、日本の「歴史を、広く世界的な視点から理解し、考える能力を持つ力を持っているかを、問うこと」としている。近代以降の、日本経済の発達の要因を世界との関連で理解したり、外交方針の選択・決定がどのような理由でなされたかを「世界の中の日本」という視点で理解し、叙述することが求められるが、「力を持っているか」とは別次元のことであり、多くの受験生にとっては、そのようなことに関して習った断片的な知識を統合して一つの流れとしてまとめられるかであろう。受験生自身がそのような問題意識を持って学習するとともに、指導側も折に触れて世界との係わりに留意するように喚起すことが必要であろう。

池袋本校
03-5960-2711
高田馬場校
03-5155-7080
渋谷校
03-5766-0651
四谷校
03-5363-0351
立川校
042-521-3551
調布校
042-426-3811
町田校
042-709-5821
横浜校
045-661-0323
藤沢校
0466-50-7855
大宮校
048-643-3332
船橋校
047-422-9631
大阪本校
06-6315-4822
名古屋校
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神戸校
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京都分校
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