2015年度入試より、一般入試が新たに生まれ変わりました。
従来の「英語」「社会科学」「人文科学もしくは自然科学」「リベラルアーツ学習適性」の4科目から、「英語」「人文・社会科学もしくは自然科学」「総合教養」の3科目入試となりました。
3科目になったことにより英語の比重が高くなり、受験生には今まで以上に高い英語力が求められるようになります。
ここでは、英語はもちろん、様々な知識・教養が問われる新科目「総合教養」と「人文・社会科学」についても、各科目の特徴や分析を含めて対策方法の一部をご紹介します。
現状、総合教養の問題に対しては、広く浅い知識が大切になります。
歴史を例にとれば、年号は覚えなくてもよいですが戦争などの大きな事件がどのような順番で起ったかは把握しておきましょう。
問題文の量が多いので重要な部分を見抜く能力は大切です。聞き取り問題は日頃から高校の授業を懸命に聞くことが受験対策につながるでしょう。
自然科学に対しては、文系受験の方はアレルギー反応を持たないことです。
計算もさせますが難しいものではないようです。あと受験希望者全員に言えることですが、新聞一面にのるような大きな事件・出来事についてはひととおり興味を持ちましょう。(※2015年だとノーベル賞の発光ダイオードの色が問われていました。)
資料の読み方と問題への対処
試験形式は、「人文・社会科学」の場合各分野について10,000字程度の資料と30~40問の問題が手渡され80分与えられます。
ここでは、資料の内容を体系的に理解する能力、論理的に推理・思考する能力、資料の内容をもとに自らの持つ知識と創造的に融合させる能力が試されます。
従って、ごく大雑把に言えば、問題の方は
●内容の体系的な把握を問うもの
●資料のある一定の箇所について正確な理解を問うもの
●資料で学んだことを資料外の知識に対して応用することを求めるもの
●資料の内容と直接関係しない知識を問うもの
の4種類に分けられます。
これらの問題を解く基本的条件は、筆者がどのような問題をどのような視点で考え、何を主張しているかを把握することです。
具体的には、サブタイトルがあれば初めにそれらに目を通すこと、序論的な導入部は全体の展望が書かれているので特に時間をかけてよく理解すること、次の段落に読み進む前にその段落の内容を確認することが重要です。
ICUの入試問題は、読解力だけでなくリスニングにもかなりの比重を置いています。
リスニングは大学入学後に英語で行われる授業についていくだけの基礎的な力を持っているかどうか、また普段、音声による英語に慣れ親しんでいるかどうかを判断する材料と考えられ、日本国内の他の多くの大学で行われている簡単なレベルのものではなく、普段から積み重ねの努力をしないと合格点が取れない問題が出題されています。
リスニング問題のタイプ別分析
出題の形式は設問数の違いはあってもほぼ一定の形式(4部門)で出題されています。すなわち、
Part1:短文形式(最適な受け答えを選ぶ問題)
Part2:短文内容把握形式(聞いた文と意味が一番近いものを選ぶ問題)
Part3:対話文形式(対話を聞いて質問に対する最適な答えを選ぶ問題)
Part4:Short Passage形式(講義または会話文を聞いてその後の質問に答える問題)
の4つです。
リーディング
「総合教養」「人文・社会科学」と、ICUの入試問題は他の大学に類を見ない非常に特徴的な試験ですが、英語のリーディングパートもまた、それらに劣らぬくらい大変独特でレベルが高い内容となっています。
しかし、いかにレベルが高いと言えど、やはり大学入試の問題であるわけですから、一般の受験生が手も足も出ないようなものではありません。
まず手始めとして過去に出題された問題を検討することで、合格水準突破への第一歩を踏み出しましょう。
出題傾向の分析
リスニングと合わせて90分で実施される英語において、読解の時間は60分程度ですが、ここ数年のパターンとしては、全体が2つのパートに分けられ、Part Iは長文読解内容一致問題(Comprehension Test)が2問、Part IIは長文中の空所補充問題(Cloze Test)が1問となっています。
出題を見てみると、文章の内容の面では非常に多岐にわたっており、特定のジャンルに偏ってはいないことがわかります。ただし、幾つかの傾向が指摘できるでしょう。
第一に、小説などのフィクションは出題されておらず、文章の内容は論説文に集中しています。さらに、人間と文明社会との関係を扱う文章が出題されやすいように思われます。特に科学・技術に対する関心が高いことがうかがい知れるのではないでしょうか。
また、一般の大学入試でも扱われることの多い、言語や教育に関する文章が採用されています。
次に、設問の内容ですが、まずPart IのComprehension Testで問われてくることが多いのは、
文章全体のテーマ
段落の主旨
特定箇所の解釈
指示語の指す内容
内容把握に基づく推論、などです。
Part IIのCloze Testで問われてくる内容は、
文法・語法の基礎知識、
論旨の展開に則した接続表現の決定、
並列関係・対比関係の読み取りなどがあります。
一般入試B方式
B方式では、特定の英語試験スコア提出と、一般科目の「総合教養」を受験し一次選考が行われ、通過者には二次選考で個別面接が課されます。
英語試験のスコアには基準が設けられていますので、基準を満たしていればA方式(3科目型)との併願も可能です。
第一次選考
●英語(TOEFL®またはIELTS™の公式スコア) ※TOEFL iBT 79以上、IELTS 6.5以上
●総合教養
第二次選考 ※一次選考通過者のみ
●個別面接